2023.04.12
イベントレポート
FONTPLUSの勉強会に参加しました。
こんにちは!デザイナーの新井です。
先日9月30日(土)と10月1日(日)に渋谷ヒカリエで開催されたDesignship 2023に参加しました。
オフラインでの開催は4年ぶりで、現地参加でしか味わえないステージ演出の迫力を体感したりサブステージやWorkshopの参加、異業種のデザイナーとの交流など様々な体験をすることができました。
広がりすぎたデザインを、接続する。
産業革命によって誕生した「デザイン」は、
現代にいたるまでその意味と対象を広げ続けてきました。
いまやデザイナーがすべてのデザインを司るのは実質不可能。
我々は数多ある星の中から星座を見出すがごとく、
氾濫したデザインに意味づけをおこなう必要があります。
Designshipはデザインが広がりすぎたそんな時代の中で、
デザイナーひとりひとりの物語に沿って、
デザイン同士を接続する機会を提供します。
最前線のデザインを学び、第一線のデザイナーと語り合う、
年に一度のデザインの祭典をお楽しみください。
- Designship 2023 公式サイトより
会場内はデザイナーやデザインに関わるクリエイターたちで盛り上がっていました。
そんな中、私はメイン会場の最前列に座ることができました!
私自身、一番楽しみにしていた内容でボードゲーム「たのしい!リサーチャーすごろく」を遊びながら、UXリサーチを体験できるワークショップでした。このボードゲームはリサーチカンファレンスボドゲ部の方が開発していて、UXリサーチの経験がなくても楽しみながら学べるボードゲームです。誰がシェア率一位を取れるのか各テーブルで白熱していました!
ゲーム後にはリフレクションを通じて、一緒に対戦した方々と感想や気づきを話題にコミニュケーションをとりながら、UXリサーチについて学びます。実際にインサイト分析を専門にされている方やUXデザイナーの方とお話しすることができ貴重な体験になりました。
ワークショップを通じてリサーチが、プロダクトの成長と深く関係していることがわかりました。また、リサーチの精度が成長の幅を大きく左右させる重要な施策であることも身をもって体感することができました。リサーチの精度を高めるにはインサイトを集めること、一緒にインサイトを集めてくれる仲間(協力者)を増やすことが必要になります。リサーチを実施したからといってすぐに何かが変わるわけではなく、地道にインサイトを貯めていくことで長期的なプロダクトの成長に役立つのではないかと思いました。
デザイナーとしてユーザー理解を深めていくために、今からでもできる施策がたくさんあることに気づました。まずはユーザーを知ること、どんな気持ちでプロダクトを使っているのか理解することからはじめていきます。これからはインサイトを集めいき、デザインを通じてユーザーが使いやすいプロダクトになるよう考えていきます。さらに社内全体でリサーチの価値、取り組みが浸透するような共有もしていきたいと思いました。
2日間を通じて、たくさんのセッションを見ることができました。どのセッションも多くの学びがありましたが、特に印象に残ったセッションを3つご紹介します。
グラフィックデザイナー / 佐藤 卓さま
このセッションではデザインにおける自由と不自由についてまた、デザイナーのスタイルや個性に関する内容をお話しされました。デザインの役割は何か?デザインの価値や概念について改めて勉強することができました。
登壇者のお話を聞いた中でこの言葉がとても印象に残りました。
「デザインは、間を適切に繋ぐこと。」
デザインは何かの間にあってそれらを適切に繋ぐ役割があります。
つまり、デザイナーの好き嫌いでデザインを考えてはいけないということです。「そのプロダクトにとって最適なデザインは何か?」という問いに対してデザイナーは深く考えなければいけないということだと思います。
ここでお話しされた「最適なデザイン」とはプロダクトやコンテンツをよく観察し、良さや伝えたいことをストレートに表したデザインのことを示します。デザイナーは何かを自ら作り出すのではなく、ものの良さを伝えられるようなデザインを考えるべきだと思いました。
デザインするということは制約や条件など不自由な状況が常にあります。だからこそデザインには自由がなく、その時に適したデザインを考える必要があるのではないかと感じました。
NEC コーポレートデザイン部 イノベーションデザイングループ ディレクター / 對馬 隆介さま
株式会社インパス 代表取締役・デザイナー / 山下 一樹さま
フラー株式会社 取締役副社長CDO / 櫻井 裕基さま
このセッションでは、デザインとエンジニアリングの融合というテーマでそれぞれの成功事例や課題についてお話ししていただき、両者がどのようにコミニュケーションをとっていけば良いのかという議論を聞くことができました。
まずは、大きな組織も小さな組織でもデザイナーとエンジニア間でのコミニュケーション問題やデザイナーに求められるプログラミング知識の話題はどの組織でも気にされていることがわかりました。
デザインと実装が分業制である組織でもデザイナーはコードを理解しておくべきだと思いますが、その意味としては何のコードの何が大変なのか理解しておくことで、エンジニアの忙しい時期やタイミングであったり、繁忙期のメンタル状況まで把握することができるため結果、思いやりのあるコミュニケーションができることが分かりました。
またデザインを依頼する際は、「こんな機能が欲しい!」という頼み方ではなく、「こんな体験を作りたい!」や「こんな体験が生まれるから作って欲しい」のように体験価値を伝えることで受け入れてもらいやすくなるというお話も印象に残っています。
デザイナーにもプログラミングスキルがあることはメリットですが、仮にスキルがない場合でも興味を持ったりエンジニアの話に耳を傾けるなどの寄り添う気持ちやマインドを持つことで円滑なコミニュケーションが生まれるのではないかと思いました。
株式会社エス・エム・エス デザイナー / 蔡 長宏さま
日産自動車株式会社 UI/UXデザイナー / 早川 優子さま
株式会社リクルート SaaS領域プロダクトデザインユニット ユニット長 兼 デザインマネジメントユニット ユニット長 / 鹿毛 雄一郎さま
このセッションではデザインリサーチの重要性や課題について成功事例を取り上げながらお話しされ、今後の課題への向き合い方についての議論を聞くことができました。
従来は機能が充実した高性能なプロダクトが喜ばれていましたが、今の時代はユーザー体験も重視されるようになり、リサーチの需要が高まりました。精度を上げユーザー理解を深めるためには仮説やインサイトにバイアスをかけず中立に聞くことが大切だと分かりました。
リサーチを実施することで得られるメリットはたくさんあります。例えば以下の3つのようなメリットがあります。
このようにプロダクトを持つ多くの事業がリサーチのメリットを感じています。ですがリサーチにも限界はあり、リソースやコストの問題はもちろん発生します。リサーチを継続していくにはできることから小さく始めていき、データを貯めていくことが大切だと感じました。また、今後のリソース問題を解決するの鍵となるのがChat GPTなどのAIツールだとお話しされていました。リサーチの効率化をするためにいろんなツールを活用し役立てていきたいと思います。
ステージの周りには多くの企業がブースを設置していました。事業のお話も聞きながら、デザイナーならではのお話や質問もさせていただき貴重な交流体験ができました!ノベルティもたくさんいただいたので使っていきます!
今回、はじめてDesignshipに参加させていただき、デザインの価値や文化に触れることができました。学びもたくさんあり、とても充実した2日間になりました。学んだことは実践していかないと意味がないと思うので、社内に共有していきながらできることから始めていきたいと思います。
イベント自体もとても楽しく1人で参加しても寂しさを感じないイベントでした!来年も開催されるようであればまた、参加したいなと思います。来年はまた変わった視点からセッションを聞けるよう業務の方も頑張っていきたいと思います。